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スキーオフトレ

怪我のリスクを減らし、スキーの上達スピードを高めるのが
S-CHALLENGEのスキーオフトレです!
 


「スキーオフトレ」って何?

スキーオフトレ」とはスキーオフシーズントレーニングの略です。スキーシーズン以外の時期に行う、スキーに特化した身体づくりや技術向上のために必要なカラダの使い方をトレーニングします。

具体的には、スキーでは滑走中の転倒による怪我のリスクが他のスポーツよりも高いので、怪我予防のためのトレーニングは最優先されます。特に膝のケガが多いことがスウェーデン冬季スポーツ研究センターのリサーチレビューでも明らかになっているので、下半身の筋力強化は非常に重要です。

また天候によるバーン状況の変化に対する対応や他のスキーヤーとの 衝突回避など、素早い反応(リアクション)能力や、バランスをコントロールする能力、自在にスキーを操作出来るコーディネーション能力など、幅広い運動能力が求められます。

スキー滑走で怪我をしない」、「スキーの上達」、この2つがスキーオフトレの最大の目的になります。

どんなスキーオフトレをすれば良いの?

スキーのオフシーズントレーニングですべき事は、大きく分けて2つあります。1つはいわゆる体力トレーニング(フィットネス)体の使い方トレーニング(機能的動作トレーニング=ファンクショナルトレーニング)です。

スキーに必要な体力トレーニング(フィットネス)

基礎的な体力を高めることで、怪我の予防やたくさん滑っても疲れないカラダを手に入れることが出来ます。また脚力や体幹の安定性が高まることにより、ターンスピードに対する対応能力も向上します。

フレキシビリティトレーニング(柔軟性)

スキーにおけるフレキシビリティ(柔軟性)は、パフォーマンス向上と身体機能の最適化に重要な役割を果たします。特に静的ストレッチ(スタティックストレッチ)は、フレキシビリティ向上に最も効果的なエクササイズとして2024年のメタ分析でも実証されています。

スキーオフトレ、スタティックストレッチ
スキーオフトレ、フレキシビリティ

血液循環の改善
筋肉の柔軟性が向上すると、毛細血管が発達し、血液循環や筋肉への酸素供給が増加します。これにより、有酸素運動のパフォーマンスが向上します。

怪我予防との関係
柔軟性の低下は怪我の発生要因の一つとなります。特に股関節の可動性はターンのパフォーマンスに直結すると同時に、膝関節障害のリスクと大きく関係します。ただし、柔軟性が高いだけでは直接的な怪我予防にはつながらず、適切なレベルの維持が重要です。静的ストレッチに加え、動的ストレッチ(ダイナミックストレッチ)を併用することによって、より予防効果は高まります。

動作の質向上
股関節の内旋・外旋の可動性向上は、ターン動作の円滑な実行に不可欠です。また、胸郭の可動性は腰痛予防に重要な役割を果たし、上半身の捻りや前傾姿勢をスムーズにします。

フレキシビリティ向上には、静的および動的ストレッチを中心としたトレーニングが効果的です。その他、フォームローラーやマッサージボール、リリースガンなどを使用した筋膜リリースや筋肉リリースも、筋肉の緊張緩和と柔軟性向上に有効です。これらのトレーニングは、シーズン前の準備期間中に重点的に行うことで、より効果的な結果が得られます。

有酸素運動

スキーにおける有酸素運動は、全身持久力の向上と長時間の滑走に必要な体力づくりの基礎となります。特に高地での運動となるスキーでは、効率的な酸素運搬能力が重要な要素となります。

スキーオフトレ、有酸素運動
スキーオフトレ、有酸素運動

持久力向上
継続的な有酸素運動により、心肺機能が強化され、長時間の滑走でも疲労が蓄積しにくい身体を作ることができます。これは特に、一日中ゲレンデで過ごすスキーヤーにとって重要な要素です。

免疫機能強化
適度な有酸素運動は免疫機能を高め、冬季に流行する風邪やインフルエンザへの抵抗力を向上させます。これは寒冷環境下で行うスキーにとって特に重要です。

トレーニングの基本はランニングやサイクリングなどの持続的な有酸素運動を週2-3回、30-45分程度行うことです。これにより毛細血管を発達させて、安静時脈拍を低下させ、強度の高い有酸素トレーニングの効果をより高めることができます。

そして、効率的に心肺機能を強化するためには、インターバルトレーニングを取り入れていくべきです。
HIIT(ハイインテンシティインターバルトレーニング)などの高強度インターバルトレーニングを取り入れることで、より効率的に心肺機能を強化できます。これはスキーの特徴である高強度の運動と回復の繰り返しにも適しています。

筋力トレーニング

スキーにおける筋力トレーニングは、パフォーマンス向上と怪我予防の両面で重要な役割を果たします。特に下半身の筋力強化は、ターン時の安定性向上に直結し、技術の向上につながります。

スキーオフトレ、体幹トレーニング
スキーオフトレ、筋力トレーニング

下半身の筋力
ハムストリングス、大腿四頭筋、大臀筋の強化が特に重要です。これらの筋群は、ターン時の体重支持と安定性の確保に不可欠で、転倒予防にも効果的です。また、強化された脚部であれば、転倒した際に膝関節へのダメージを最小限に抑えることもできます。

体幹の強化
腹筋、僧帽筋、広背筋などの体幹部表層筋(グローバル筋)の強化だけでなく、深層部(ローカル筋)にある腰方形筋や多裂筋、腹横筋といった筋群をバランスよくトレーニングすることで、ターンや方向転換時の安定性向上に寄与し、腰痛予防にも効果があります。

スキーは他のスポーツと異なり、左右対称動作が求められつつ、滑走動作は左右の交互動作という非常に特異な動作が求められるスポーツです。ベーシックな筋力トレーニングを基本としつつ、スキーにおける専門的動作を考慮した筋力トレーニングが非常にパフォーマンス向上には重要となります。正しいフォームでのトレーニングを心がけ、スキーの動作とリンクさせることがスキーにおける筋力トレーニングのポイントになります。

アジリティ(敏捷性)トレーニング

スキーにおけるアジリティトレーニングは、素早い方向転換や状況判断能力の向上に不可欠です。特に高速滑走時、他のスキーヤーとの急な衝突回避や、コブ斜面での連続したターン動作に直接的な効果をもたらします。

スキーオフトレ、アジリティ
スキーオフトレ、アジリティ

ポジションコントロール
特にスキーの場合は斜面を滑走しているので、ポジションの最適化が適切でないと、素早い切り替え動作をすることが出来ません。素早い切り替え動作の習得はスキーパフォーマンス向上だけでなく、怪我のリスク低減にも繋がります。

反応速度の向上
スキー滑走に必要な「加速・減速・方向転換」といったスキルを効率的に習得できます。これらの能力は特にレースやコブ斜面滑走のパフォーマンス向上を狙っているスキーヤーにとっては非常に重要です。

「Tドリル」などの基本的なアジリティドリルは、10m×10mのスペースで実施可能で、前進・横移動・後退など多様な動きを組み合わせることができます。スペースさえあればトレーニング可能です。

ラダーやマーカーなどのトレーニングアイテムを使用したフィールドトレーニングでは、より実践的な動きを習得できます。特に横方向の動きや体の向きの変換を含むトレーニングが効果的です。

スキーに必要なカラダの使い方トレーニング(ファンクショナル)

ファンクショナルトレーニング(機能的動作トレーニング)

ファンクショナルトレーニングは、単なる筋力向上だけでなく、スキーに必要な機能的な動きを向上させる重要なトレーニング方法です。このトレーニングは、複数の関節や筋肉を同時に使う複合関節運動を中心とし、実際のスキー動作により近い形での体の使い方を習得できます。

スキーオフトレ、ファンクショナルトレーニング
スキーオフトレ、ファンクショナルトレーニング

動作の質的向上
左右の動き(前額面)と回旋動作(横断面)における動きの改善により、怪我のリスクを軽減しながら、より効率的な動作が可能になります。特に複数の関節や筋肉を同時に使うことで、スキーの動作により近い形での体の使い方を習得できます。

姿勢制御能力の向上
コレクティブムーブメントエクササイズ(正しい動作を学ぶエクササイズ)を通じて、正しい動作パターンを習得し、姿勢制御能力を高めることができます。これにより、ターン時の体の使い方がより効率的になります。

レジスタンスバンドを使用したトレーニングは、動かすべき関節や筋肉の意識を高めやすく、特に効果的です。また、バランスボールやバランスディスクを使用することで、より実践的なトレーニングが可能になります。

バランストレーニング

スキーにおけるバランストレーニングは、単なる静的なバランス能力の向上だけでなく、動的なバランス制御能力の向上が重要です。特に、最近では片脚支持バランスと競技パフォーマンスの相関が高いことが明らかになっているので、片脚支持バランスの能力を高めるようなトレーニングが重要となります。

スキーオフトレ、バランスボール
スキーオフトレ、バランスボール

動的バランスの重要性
スキーでは、その場でじっとしてバランスをとる場面はほとんどありません。むしろ、高速で動きながらバランスをとることが求められ、これは「動的バランス」と呼ばれます。

前後バランスの制御
スキーでは、加速中の重心前移動(ターン前半)と減速時の重心後方移動(ターン後半)で適切なバランス制御が必要です。

バランストレーニングは、バランスボールやバランスディスク、フォームローラーなどを使うことで、より楽しみながらトレーニングすることが出来ます。そして、基本的な筋力トレーニングとベーシックなファンクショナルトレーニングを組み合わせることで、より効果的にスキーパフォーマンスを高めることが出来ます。

スキームーブメントトレーニング

スキームーブメントトレーニングは、スライダーやレジスタンスバンドなどを使用して、実際のスキー動作に近い動きを通じて、技術の向上と身体感覚の習得を目指す専門的なトレーニング方法です。特に左右対称な動作の習得において、効果的なアプローチとなります。

スキームーブメントトレーニング、スキーオフトレ、スライダー、水落亮太
スキームーブメントトレーニング、スキーオフトレ、レジスタンスバンド、兼子稔

動作の質的向上
複数の関節や筋肉を同時に使う複合関節運動を通じて、より効率的な動きを習得できます。特に、前後左右のバランスが取れた重心移動の感覚を磨くことができます。

技術的要素の向上
ターン時の荷重や切り替えなど、スキーの基本的な動作要素を、オフシーズン中でも継続的に練習することができます。これにより、実際の雪上での技術習得がスムーズになります。

スキー滑走に必要な多面的動作や関節の連鎖性をフィードバックしながらトレーニングすることで、より実践的なスキー動作の習得が可能です。特に、横方向の動きやカラダの向きの変換を含む動作は、実際のスキーの動きに直結します。

このトレーニングは、技術向上のベースを作るだけでなく、怪我のリスク低減にも効果的です。特に、オフシーズン中の継続的な実施が重要です。


専門的なスキーオフトレはどこで学べますか?

エスチャレンジでは5月から11月のスキーオフシーズンに都内・駒沢公園をベースにして「スキーオフトレワークショップ」を開催しています。小学校5-6年生から参加可能です。カラダの使い方トレーニング(フレキシビリティやファンクショナルトレーニングが中心)なので、体力レベルや運動レベルは関係なく参加できます。


スキーオフトレのメニューが欲しい!

エスチャレンジでは全日本スキー連盟で20年間ナショナルチームをサポートしてきたスキー専門のプロトレーナーが、個々のライフスタイルやトレーニングレベルにあったオーダーメイドのトレーニングプログラムを作成・販売しています。詳細は以下のサイトをご参照ください。


スキーオフトレに役立つトレーニング記事


参照エビデンス

Incidence of injuries in professional snow sports: A systematic review and meta-analysis
https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC8847944/

What are the exercise-based injury prevention recommendations for recreational alpine skiing and snowboarding? A systematic review
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/23463392/


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