今回のスキーオフトレワークショップは「滑走パフォーマンスを高めるフットワークトレーニング」ということで、下記の5つにフォーカスしてトレーニングしていただきました。
- 雪上パフォーマンスを高めるための基本姿勢の習得
- スムーズな重心移動
- 重心移動幅の左右解消
- 片脚支持バランスの向上
- 素早い切り替え動作の獲得
これらの動的パフォーマンスを高めていくために、オフトレで気をつけるべきポイントがあります。1つは「サーフェイスによって異なる姿勢制御を使い分ける」ことです。
まず、素早く動くためには常に「支持基底」内に重心を収めておくことが必須となります。そしてスキーは斜面での姿勢制御が求められるスポーツなので、基本のトレーニングはフラットな地面で行ったとしても、雪上パフォーマンスにつなげていくためには斜度を感じる状況下でのトレーニングが必要となります。坂道や階段の斜度を利用してのトレーニングが有効となりますが、この際に意識しなければならないのが、「フラットサーフェイスでの姿勢コントロールとスロープサーフェイスでの姿勢コントロールは異なる」という点です。
ラダーなどのアジリティエクササイズも多いのですが、フラットなサーフェイスに適したフォームでのみトレーニングしていると雪上パフォーマンスに還元できない可能性があります。雪上パフォーマンスを高めていくためには、斜面に適した姿勢制御を加味したトレーニングが求められます。
2つめとしては「重心移動の意識」がポイントになります。重心を移動していく際に、キャッチングの脚(支持脚)を初動し、キッキングの脚に重心を残さないことが重要です。頭ではすぐに理解できるポイントなのですが、カラダがすぐに反応できないポイントでもあります。スケーティングや切り替え動作が苦手な方に多い課題の1つです。
他にもいくつか注意すべきポイントを説明しながら、様々なフットワークトレーニングを実施してもらいました。トレーニングの効果測定として、最初と最後にフットワークの速度計側を実施しましたが、皆さんトレーニングで疲労の蓄積もある中、概ね数値は最初の記録よりもアップしていました。
今回はジョギングやランニングの付け足しトレーニングとして活用してもらえるように、あえてすべてのエクササイズは道具無しのバリエーションのみをご紹介しました。一番、トレーニング頻度とパフォーマンス向上がリンクする要素なので、頻度を上げてトレーニングしていただければと思います。
今年最高気温の中、ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました!
S-CHALLENGE Training Program Works
代表/フィジカルトレーナー
飯島庸一
※次回以降の「SKIオフトレWorkshop&WEBセミナー」のスケジュールはこちら
https://www.s-challenge.com/workshop/
S-CHALLENGE Training Program Works 代表/フィジカルトレーナー
ファンクショナルトレーニングと筋力トレーニングを統合したトレーニングメソッドで、アスリートやスポーツ大好きな社会人クライアントの動作と機能を高めるサポートを展開。日本スポーツ協会 公認アスレチックトレーナー(JSPO-AT)、全米スポーツ医学アカデミー 公認コレクティブエクササイズスペシャリスト(NASM-CES)