今回のスキーオフトレワークショップはロングターン動作の質的向上にフォーカスしたトレーニングを実施しました。
雪上のターン動作には人が加速に関与するフェイズ(局面)は無く、ターン動作自体はすべて「減速動作」になります。加速エネルギーは重力(落下)なので、いかに効率良く減速するか、それがターンの質につながります。
陸上でのダッシュ&ストップだとダッシュ(加速フェイズ)は人間の筋力で行われますが、雪上ではスキーをフォールラインに向ければ勝手に加速します。オフトレで鍛えるべきはダッシュなどの「加速動作」ではなく、実はストップするあるいは方向転換の際に求められる「減速動作」なのです。
ターンを次のターンにつなげていくためには「方向転換」の能力も必要となります。さらに重心の向きを変えていくために「体幹回旋動作」の質的向上もターン動作に大きく影響してきます。
・減速する能力
・方向転換する能力
・体幹回旋をコントロールする能力
この3つの能力を高めるトレーニングは色々ありますが、今回は特に減速する能力のパフォーマンスを高めるために「小殿筋の機能性向上」と「ECM(細胞外マトリックス )への刺激およびSSC(ストレッチ短縮サイクル)を活性化させるためのプライオメトリック」にフォーカスしてトレーニングしていただきました。
小殿筋は股関節の安定化やニーイン抑制に寄与します。減速動作および方向転換においてはニーイン抑制は非常に重要です。実際に参加者皆さんのトレーニング前後の動画で一番変化が見られた部分がニーイン抑制でした。
今回ご紹介したプライオメトリックトレーニングは筋パワー向上ではなく、筋や腱の弾性を高めることと減速動作でもとめられる伸張性筋収縮にフォーカスしてトレーニングしました。
地味トレ中心でしたが、トレーニング前後の動画を比較するとかなり動作の質的向上がハッキリわかるレベルで皆さん変化していました。
台風の影響を受けることなく、無事に開催できて良かったです。
ご参加頂いた皆様、ありがとうございました!
S-CHALLENGE Training Program Works
代表/フィジカルトレーナー
飯島庸一
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S-CHALLENGE Training Program Works 代表/フィジカルトレーナー
ファンクショナルトレーニングと筋力トレーニングを統合したトレーニングメソッドで、アスリートやスポーツ大好きな社会人クライアントの動作と機能を高めるサポートを展開。日本スポーツ協会 公認アスレチックトレーナー(JSPO-AT)、全米スポーツ医学アカデミー 公認コレクティブエクササイズスペシャリスト(NASM-CES)