トレーニング効果を最大化させる「個別性の原則」とは?
「個別性の原則」とは何か
「個別性の原則」とは、トレーニングプログラムを作成する上で最も基本となる「トレーニングの5原則」の1つで、トレーニングを個々の特徴やニーズ、ライフスタイルに合わせてトレーニングプログラムの強度やボリューム・難易度などを調整することを意味します。年齢、性別、体組成、トレーニング経験、ケガの履歴、トレーニングの目的、ゴールなど、個々の要素に合わせてトレーニングを調整する必要があります。これにより、トレーニングから最大限のトレーニング効果を得ることができて、目標に向けた進歩を最適化することができます。
「個別性の原則」の目的
トレーニングプログラムを個別化する目的は、個々の要素に合わせてトレーニングを調整することで、個人がトレーニングから最大限の効果を得ることと、目標に向けた進歩を最適化することです。
人は生理学的反応にかなり個人差があり、異なる強みと弱点を持ち、異なるフィットネスや骨格、モチベーション、そして異なる目標を持っています。そのため、トレーニングプログラムの個別化は必要不可欠です。
例えば、年齢や体組成によってトレーニング方法が異なります。トレーニング経験やケガの歴史によっても、個別のアプローチが必要となります。また、トレーニングの目的やゴールによっても、個別のトレーニングプログラムが必要です。
個別性の原則に基づいたトレーニングプログラムは、トレーニングする人がより効果的にトレーニングを行い、目標に向けた進歩を最適化することができるため、非常に重要です。トレーニングプログラムの個別化は、トレーニングする人の特徴とニーズを考慮することにより、トレーニングの効果を最大化することができます。
特定の個別要素とは?
年齢に応じたトレーニング設定
年齢は、トレーニングプログラムの個別化において重要な要素です。年齢によっては、筋力や持久力の減少、柔軟性の低下などの身体的な変化が起こる可能性があります。そのため、年齢に応じたトレーニング設定が必要です。トレーニングの負荷強度や年齢に則したトレーニング方法、関節構造やトレーニングに対する反応レスポンスの差、などを考慮していくことが必須となります。個々の年齢に基づいてトレーニングプログラムを調整することで、それぞれにおいて効果的なトレーニングが可能となります。
性別によるトレーニングのカスタマイズ
男性と女性は骨格アライメントや筋力・筋量に違いがあります。そのため、性別によってトレーニングプログラムをカスタマイズすることが重要です。女性は一般的に柔軟性が高く、下半身の筋力が男性よりも重要です。男性は筋量が多くなると比例して柔軟性が低下している方が多くなります。また、女性はホルモンの影響で男性と同じ質の筋力トレーニングをしても同じだけの筋量を得るのが難しい場合があり、トレーニング方法や負荷の調整が必要となります。性別に基づいたトレーニングプログラムのカスタマイズによって、より効果的な結果が得られます。
体組成とトレーニングプログラム
個人の体組成はトレーニングプログラムにおいて重要な要素です。体脂肪率や筋肉量の違いによって、トレーニングのフォーカスや負荷の調整が異なる場合があります。例えば、体脂肪率が高い場合は、脂肪燃焼を促す有酸素運動に重点を置く必要があります。一方、筋肉量を増やしたい場合は、筋力トレーニングを行うことが有効です。体組成に合わせたトレーニングプログラムの設計によって、最適な結果が得られます。
トレーニング歴と個別化
個々のトレーニング歴もトレーニングプログラムの個別化において考慮すべき要素です。初心者は基本的な動作やフォームの習得に重点を置く必要があります。一方、長くトレーニングを経験されている方はより高度なトレーニングや特定のスキルの向上に焦点を当てたトレーニングにも適応できます。トレーニング歴に応じたトレーニングプログラムの選択や調整によって、個々の目標に最も効果的に向かうことができます。トレーニングプログラムの個別化によって、各個人がトレーニングから最大限の効果を得ることができ、目標に向けた進歩を最適化することができます。
トレーニング目標に応じた個別化
トレーニングプログラムの効果を最大化するためには、個々のトレーニング目標に基づいた個別化が必要です。例えば、筋力や筋量を増やしたい人は筋力トレーニングを重点的に行う必要があります。一方、持久力を向上させたい人は有酸素運動やサーキットトレーニングが適しています。また、特定のスポーツパフォーマンスを向上させたい人は、スポーツ固有の動作や特有の怪我予防対策が重要となります。
トレーニングプログラムと個別ライフスタイル
トレーニングプログラムの個別化には、個々のライフスタイルも考慮する必要があります。ライフスタイルには、生活状況や職業、日常の活動レベルなどが含まれます。例えば、デスクワーク中心の場合、姿勢改善や腰痛予防のためのエクササイズが重要です。また、外回りが多い営業職の方、立って接客する時間が多いサービス業の方、子育て中心の生活の中でまとまったトレーニング時間の確保が難しい方、など時間の制約や疲れ具合を考慮してトレーニングプログラムを調整する必要があります。
個々の目標とライフスタイルに基づいたオーダーメイドのトレーニングプログラムは、個人の特性やニーズに合わせた最適な結果を生み出します。このような個別化されたアプローチは、一般的なトレーニングプログラムでは得ることができない成果をもたらすことができます。個別化されたトレーニングプログラムは、専門的な知識と経験を持ったトレーニングプロフェッショナルによって設計されたものが非常に望ましいです。トレーニングプログラムデザインの専門トレーナーは、個人の目標や特性を分析し、最適なプログラムを作成することができます。
トレーニングプログラム個別化のメリットと効果
怪我の回避と個別化の関係
トレーニングプログラムの個別化は、怪我のリスクを最小限に抑えるために非常に重要です。個人の特性や歴史に基づいてトレーニングを調整することにより、特定の体の部位に負担をかける可能性のある運動を避けることができます。例えば、過去に膝のけがを経験した人は、膝への負担が大きいジャンプ系エクササイズを設定しないなど、リスクコントロールを含めたトレーニングプログラムの作成が必要となります。個別化されたプログラムにより、怪我のリスクを最小限に抑えながら、効果的なトレーニングを行うことが可能です。
弱点の改善と個別化
個別化されたトレーニングプログラムは、個人の弱点や改善すべき領域に焦点を当てることができます。個々のトレーニングプログラムは、個人の特性や目標に基づいて設計されるため、弱点を補強するための適切なエクササイズやトレーニング方法を組み込むことができます。例えば、脚筋力はあるけれどジャンプ動作が苦手という場合は、股関節・膝関節・足関節の連鎖性に問題がある可能性があるので、3関節の連鎖性が含まれた機能的動作トレーニング(ファンクショナルトレーニング)を設定するなど、より個別化されたプログラム作成により、弱点を改善するために必要なアプローチをすることができます。
強みの最大化と個別化
個別化されたトレーニングプログラムは、個人の強みや特性に基づいて最大限に活用することができます。個人の特定の能力や適性を考慮に入れることにより、トレーニングプログラムを調整してストロングポイントを最大化することができます。例えば、特定の個人が持っている俊敏性や柔軟性の能力を活かすためには、それに合ったトレーニングメソッドを組み込むことで、トレーニング効果をより多く感じることができて、トレーニング継続のモチベーションアップにも繋がります。
トレーニング継続率向上と個別化
個別化されたトレーニングプログラムは、個人の特性、目標、ライフスタイルに合わせて調整されてプログラミングされるので、トレーニングした時間や費用、努力に見合ったトレーニング効果を実感することができます。その結果、トレーニングの継続率向上に繋がり、さらにトレーニングを継続することで、より一層高いトレーニング効果の取得とトレーニングから得られる満足感も高まります。これは一般的なトレーニングプログラムでは得られません。
このような個別化されたトレーニングプログラムは、専門的なトレーニングプロフェッショナルによって作成されるべきであり、個人の特性や目標を分析し、最適なプランを作成することができます。個別化されたトレーニングプログラムは時間と努力を要するかもしれませんが、個人の能力向上と成果の最大化を促すことができ、より効果的なトレーニングを実現することができます。
まとめ
個別化の重要性と効果は明確です。各個人は体質的に異なり、強みや弱点、状況、個人の目標が異なります。そのため、個別化されたトレーニングプログラムを導入することは不可欠です。個別化の手法を適用することで、個人はトレーニングの最大限の効果を享受し、目標に向けた進歩を最適化することができます。
S-CHALLENGE Training Program Works では、完全オーダーメイドの個別化トレーニングプログラムの作成・配信サービス「プログラムサポート」を全国のクライアント様に展開しています。事前に提供していただいたトレーニング履歴や受傷履歴などの個人情報や利用可能なトレーニング環境、ライフスタイル、トレーニングおよび体力レベルに応じたプログラム作成をしています。適切なプログレッシブオーバーロードを個別プログラムに反映させながら、トレーニングの成果をパフォーマンス向上やカラダの機能的向上につなげています。「プログラムサポート」サービスに関するご質問・お問い合わせはお気軽にこちらのWEBフォームをご利用ください。
S-CHALLENGE Training Program Works 代表/フィジカルトレーナー
ファンクショナルトレーニングと筋力トレーニングを統合したトレーニングメソッドで、アスリートやスポーツ大好きな社会人クライアントの動作と機能を高めるサポートを展開。日本スポーツ協会 公認アスレチックトレーナー(JSPO-AT)、全米スポーツ医学アカデミー 公認コレクティブエクササイズスペシャリスト(NASM-CES)