キツいトレーニング後に素早く回復する姿勢は?

今回は「姿勢によって心肺機能の回復に差があるか」、というお話をさせていただきます。

ハードなトレーニングをしていて心拍数が上がり過ぎると、腰を折り曲げて手を膝に当てて休息することあると思います。昔はそんな姿勢で休んだり呼吸していると、先輩や監督・コーチから、「頭を下げるな!」「上体を起こせ!」とゲキが飛んできたりしました。

皆さんも経験されている方、いるのではないかと思います。

私自身、フィジカルトレーナーになって同じような言葉を選手に投げていたこともしばしば。自分が体験してきたことを、そのまま選手に伝えてきていたわけですが、その「ゲキ」は完全に間違っていたことが判明することになった研究論文が発表されたので、自らの反省も込めてシェアしたいと思います。


休息姿勢で回復に差が出る!

2020年8月に「高強度インターバルトレーニングにおける2つの異なる回復姿勢の効果」というリサーチが発表されました。

RESEARCH REVIEW: EFFECTS OF TWO DIFFERENT RECOVERY POSTURES DURING HIGH-INTENSITY INTERVAL TRAINING 2020

http://www.thescienceofstriking.com/mental-training/research-review-effects-of-two-different-recovery-postures-during-high-intensity-interval-training/

ハードトレーニングである高強度のインターバルトレーニングを実施した際に、姿勢によって回復効果の違いがあるか、ということに着目した実験を行っています。この実験では、18歳から22歳のアメリカの大学2部リーグの女子サッカー選手22名がトレッドミルでランニングのテストを週に2回、4分間のランニングと3分間の休息を4セット実施されました。

ハードトレーニング(インターバルトレーニング)

ランニング強度は最大心拍数の90~95%に設定されています。

インターバルの休息で、手を頭に当てた状態での直立姿勢と上体を前傾し手を膝に当てて休息する2つの姿勢を設定し、呼気容量や呼吸数、心拍数の回復量を計測・比較しました。

その結果、1回換気量や心拍数の回復において、手を膝に当てて休息した姿勢の方が統計学的に優位という結果に。

また多くの参加者は主観的にも手を膝に当てて休息した方が楽だと報告しているとのことです。

まとめ

イメージ的にハードなトレーニングしても直立で呼吸を整えている方がカッコいいイメージがありますが、上体を前傾させ手を膝に当てて回復した方が科学的にも効率が良いことがハッキリしました。

気持ち的にも上体を前傾させた方が楽なので、根性やミエで空向いて顎上げて呼吸整えない方が良いですね。

これからは、激しいトレーニングの直後、呼吸が上がっていたら積極的に上体を前傾させて両手を膝について効率よく回復させましょう!

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