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COLUMN  飯島庸一の「思惟私考」

COLUMN: #0035 使える筋肉の鍛え方

2017年10月20日

 

「使える筋肉」「使えない筋肉」という表現を深掘りすると、
場面に応じて使える、あるいはタイミング良く筋肉が動く、ということが「使える筋肉」のイメージでしょうか。
 
スクワットエクササイズで考えてみます。
 
体重70kgで身長170cmの30歳のAさんとBさん、
2人とも100kgのバーベルで最大10回の反復が出来ます。
 
筋力的にはほぼ同じ「筋力(能力)」を持っている、と言えます。
 
そして、相対評価として、2人の体構成から考えると、
100kg10回反復というのは、良い数値です。
 
十分な筋力という能力を持っている2人ですが、
こちらの2人に対して「使える筋肉」を持っていますね、
とは普通は言わないです。
 
では、どの様な場面で「使える」「使えない」の差が生まれるか、というと
・タイミング良く動ける
・状況に応じた出力が出来る(リズミカルに動く、距離感を調整出来る)
・各関節が連動して動く
といった場面ではないでしょうか。
 
これらは、外的要因に適応したたタイミング・出力・動作の分量を調整しています。
 
これが「使える筋肉」という表現の本質です。
 
 
では、本題。
 
どの様に「使える筋肉」を鍛えていけば良いのか。
いくつか列挙してみます。
 
 
 
◉3プレーンでトレーニングする
 
動作には矢状面=前後(上下)の動作、前額面=左右の動作、水平面の3つの動作面(3プレーン)があります。
 
多くの筋力トレーニングマシンは、矢状面で動作するものが殆どなので、マシントレーニングを中心に筋トレをしている人は、前後や上下の動作は多く鍛えることが出来ますが、左右や水平方向の動作をすることが非常に少なくなってしまいます。
 
動作を鍛えるバランスが悪いので、動作の習熟性に偏りが出やすくなります。
 
マシントレーニングの他に、前額面や水平面に動くエクササイズを含めていくことで、ムーブメント(動作)の偏りを解消することが出来ます。
 
 
 
◉ハイパーコンパウンド種目のトレーニングをする
 
コンパウンド種目とは、多関節を使うエクササイズのことです。
スクワットやデッドリフトなど、複数の関節を使うエクササイズになります。
 
ハイパーコンパウンド種目とは、コンパウンド種目よりもさらに多面的に動くエクササイズです。
 
例えばダンベルでフロントランジをして、そのまま前脚で立ち上がり、反対脚の腿を水平レベルに保ってバランスをキープするなど、
重心移動の距離が多くなり、尚且つ複数の動作面(3プレーン)が含まれたエクササイズです。
 
使用出来るダンベルなどの負荷は、通常のコンパウンド種目よりも軽くなりますが、その分重心移動が容易に出来て、関節の可動性を広く使った運動が出来ます。
 
 
 
◉音楽を聴きながら、テンポに合わせて動く
 
筋トレするにしても、走るにしても「テンポ」というのは重要な要素になります。
 
音楽を聴きながら、その音楽のテンポに合わせて動く、というのはまさに「外的要因の適応」になりますので、使える筋肉を鍛えていくためには非常に有効な手段です。一部のジムでは、スマホやデバイスの持ち込みを禁止しているところもありますので、気をつけて下さい。
 
 
 
 
◉自分の苦手な動作を多く含んだプログラムを実行する
 
人によって固い関節、苦手な動作は異なります。
 
その辺を加味して、苦手な関節可動や動作を多く含んだエクササイズを中心にプログラムを作ってトレーニングすることは、「使える筋肉」を鍛えていくためには必要不可欠です。
 
一般サラリーマンの生活では、歩行や座る、しゃがむ、立つ、など矢状面の動作が主になります。
その場合は、前額面や水平面の運動を多く含んだ、テニスやラケットボールなどのアクティビティを取り入れるもの有効です。
 
但し、多くの球技はアシンメトリー(左右不均等)な動作なので、その辺の修正エクササイズも必要となります。

 


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