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COLUMN  飯島庸一の「思惟私考」

COLUMN: #0034 斜面トレーニングが必要な理由

2017年10月13日

 

スキーヤーのオフトレーニングのサポートをし始めた時、
オフトレの主流は、ランニング、自転車、インライン、「補強」と言われる体幹トレーニングでした。
 
エスチャレンジでは、20数年前より斜面でのトレーニングを長年推してきました。
当時は、技術コーチたちからかなり奇異な眼で見られていました。
 
そんな環境下でも私が斜面トレーニングを推してきた理由の一つは、斜面感を感じ斜面に対して適切なポジションを取ることで、滑走時に求められる筋群が自動的に使われると確信していたからです。
 
今年になってようやく私の仮説を裏付けてくれるエビデンスが発表されましたので、それを解説します。
 
「Gluteus Medius Muscle Activities According to Various Angle of Mediolateral Ramp During Cross Walking and One-leg Standing」
クロスウォークと片脚立ちの間の角度に応じた中殿筋の活性
 
この研究では69人の20歳代男性たちに、7つの異なる角度の傾斜台に対して、斜面に沿って歩いたり、横切って歩いたり、片脚で立ってバランスを保持したりして、各条件毎の中殿筋の活性度合いを調べました。
 
その結果、傾斜角度が増えるにつれて中殿筋の活性度合いも増えることが判ったとのこと。
 
バランス保持に最も関係すると言われている中殿筋ですが、今回のこのエビデンスによって、実際に斜面での計測で斜度と中殿筋の働きがより明確になったことは、斜面トレーニングの重要性と有効性が改めて確認出来、非常に意義深いと思いました。
 
急斜面が苦手で、中殿筋が弱い人はオフトレの強化優先度として中殿筋のトレーニングが必要で、さらにそれを斜面において中殿筋を使うトレーニングを実施することにより、雪上パフォーマンスに繋がっていきます。
 
中殿筋を鍛えるには、股関節の外転動作をすれば良いのですが、鍛えた中殿筋を使える様にしていくためには、適切な外向傾姿勢を伴った斜面でのトレーニングが有効だと考えています。
 
またロングターンについては、ターン動作に必要な股関節の組合せ動作(股関節外転動作と内旋動作)の相性が悪いので、そういう動作のカップリングも重要なポイントになります。
 
中殿筋の機能や片脚支持については、オフトレセミナーで解説していきたいと思います。

 


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