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COLUMN  飯島庸一の「思惟私考」

COLUMN: #0023 ジュニア選手に自転車トレーニングよりもランニングを勧める理由

2017年07月10日

 

トレーニングの原理の1つに「特異性の原理」があります。
「ある特定のトレーニングはある特定の効果しかもたらさない」、ということです。
 
トレーニングのプログラムを作成する際、エクササイズを選択する上で非常に核となるトレーニングの原理です。
 
数日前に発表されたウェイクフォレスト大学のジュニア期における自転車トレーニングと骨密度に関する論文*は、ジュニア選手達において特異性の原理をしっかり反映させていく必要性を改めて認識させてくれます。
 
長距離サイクリストはパフォーマンスを高める為に、長い時間サドルに体重を乗せ、下半身には半荷重な状態でトレーニングします。さらに体重を少なくすることによりパフォーマンスを上げることが出来るため、カロリー制限も行っている選手もいる様で、成長期のジュニア選手にとっては、下半身への荷重不足と栄養不足による骨密度の減少を、ウェイクフォレスト大学の研究者は危惧しています。
 
この論文では自転車だけではなく、クロスカントリースキーや水泳など、持久性スポーツについて述べていますが、ジュニア選手のトレーニング全般について共通となる重要ポイントを示してくれています。
 
それは、自分の脚にしっかり体重をかけること。
 
ウエイトトレーニングはもちろん、ランニング・ダンス・エアロビクスなど、自分の体重を自分の脚に荷重をすることは、骨の成長に不可欠な要素です。骨への刺激は靱帯の強化にも繋がり、特にスキー・スノーボードに多い膝関節障害リスクの減少に役立ちます。
 
ジュニア期の選手達は、心肺機能を鍛える効果だけに着目するのではなく、走ること、自分の脚に荷重することで得られる特異性をもっと意識し、バランスを配慮したトレーニングが大事だと考えています。
 
ref. Does long-distance training saddle young cyclists with fragile bones? 2014

 


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