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COLUMN  飯島庸一の「思惟私考」

COLUMN: #0018 つま先の向きと膝の向き

2017年06月13日

 

先日、あるクライアントさんに「トレーニングの際には、膝蓋骨と第2指は常に同じ向きになるように意識してみて下さい。」とメールでお伝えしたら、以下の様なご質問を頂きました。非常に重要なやり取りで皆さんにも役立つ内容でしたので、転記させて頂きます。
 
質問としては、膝蓋骨と第2指を常に同じ方向に向けておくためには、
①左右の第2指が平行になるように立ち、第2指の方向に膝蓋骨を曲げるのか?
②逆ハの字で立ったまま、第2指の方向と膝蓋骨の方向を一致させればいいのか?
ということでした。
 
男性の方からのご質問でしたので、通常多くの男性の方はつま先が外に向いて立っている(Toe-out状態)ことが多いと思います。
 
膝の障害予防という視点でみれば、「膝内部の捻転を抑制」出来れば良いので、両方とも正しいです。
つま先と膝蓋骨の向きさえ、常に一致していれば膝の障害リスクはかなり減らせます。
 
①と②の違いは、股関節がニュートラルにあるか(①)、外旋位にあるか(②)、です。
 
アルペンスキーやデモスキーの場合、基本スタンスはパラレルスタンスですので、足を常に平行にして滑ります。
ターンニングで内外旋動作は生じますが、基本は①の姿勢の方がスキーの特異性に一致します。
 
 
クロカンスキーヤーで、しかもスケーティングしかしないのであれば、②のパターンでも大丈夫です。
(細かく言えば、下りはスキーをパラレルスタンスにするので、クロカンスキーヤーであっても、普段の生活は①の方が望ましいでしょう)
 
スキーを滑るときやトレーニングをする時だけではなく、日常生活動作(階段の上り下り、イスからの立ち上がり、歩行など)でも意識する必要がありますね。
 
 
また、こちらのクライアントさんからは、もう1つ関連した質問を頂きました。
 
「スクワットをする際、膝蓋骨と膝の方向を一致させるためには、股関節を外旋させるような感覚でおこなわなければなりませんが、そのような感覚でいいのか?」
 
もう、これは大正解です!
 
大腿骨は股関節から真っ直ぐに膝に向かっているのではなく、股関節の付け根近くで「くの字」に曲がっています。
この構造的特性によって、生理的外反(X脚)状態になっているのが普通です。
 
角度はかなり個人差があります。
 
立っている時、仮につま先と膝が真っ直ぐ前を向いていても、しゃがみこむと、この大腿骨の傾きのために、膝は親指の方向に向かいます。
いわゆる「膝が内側に入る」状態ですね。
 
すると、内半月板と外半月板の圧力バランスが異なってきたり、内側側副靱帯へのストレスが増えてしまいます。
 
しゃがむ際には、少しずつ外旋動作を加えることで、常に膝とつま先を同じ向きにすることが出来ます。
 
膝を怪我される理由の一つに、股関節のモビリティ(可動性)低下があります。
股関節の可動性が低下すると、膝への負担が増してしまいます。
 
 
モビリティを高めるトレーニングをすることも重要ですが、普段の生活で股関節が使えていないと、当然トレーニングでも使うことが出来ません。
 
膝の向きとつま先(第2指)の向き、日常生活動作から意識してみてはいかがでしょうか?

 


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